短編小説
□秋桜
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きっかけは、ハルヒとの他愛のない会話だったと思う。
「なんか、花見がしたいわねぇ……」
「は?」
今は秋だろう、などとツッコんでみたって、一度思いついたら実行に移そうとするのがハルヒだ。
「桜なんて、気合いで咲かせればいいのよっ!いい?明日の放課後は花見なんだからね!」
……なんて目茶苦茶な。
しかし、ハルヒ団長がやる、と決めればもう誰も止められないのだ。
「おい、ハル…」
唯一ハルヒに意見するのは俺だが、それもたいした効果がない。
「いい?明日やるんだからね!キョン、場所を探しておいてちょうだい!」
………やれやれだぜ。
とりあえず俺は、下校時間、ハルヒ達が帰って行くのを見送ってから、古泉を道連れに桜の木がある場所へ向かう事にした。