短編小説
□ハルキョン2007〜2008
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SOS団部室。
……今日は12月31日、大晦日であり家族で団欒を過ごしたり、親戚の家に行ったりするのが正常な姿と俺は思うのだが、ハルヒと二人きりで部室に居るのは何故だろう。
いや、原因は分かっている。
いきなりハルヒに呼び出されたのだ。
何時もの事だな。
でも、他の団員が不在の理由は何なんだ。
「大晦日に呼び出すのもどうかと思ってね。家族の団欒や、予定を邪魔しちゃ悪いじゃない。」
……それは、俺にも言える事なんじゃないのか?
「キョンは別よ!雑用係なんだから!」
はいはい、そうかよ。と、何度言ったか分からない様な受け答えをする。
すると、ハルヒは少し考え直したのか、
「でも、そうね……。妹ちゃんにも悪いし、すぐに帰してあげるわよ。……ちょっと話したかっただけだし。」
……それ、憧れの先輩に告白する前の後輩みたいな感じで頼む。
「な、何馬鹿な事言ってるのよ!」
顔を真っ赤にして言うハルヒ。
何だか愉快な気分になったが、団長様をからかい続ける事のリスクも重々承知している俺はくすくす笑うだけに留めておく。
「すまん、冗談だ。」
「もっと笑える冗談を言いなさいよ……。」
ふい、と顔を背けて怒った様に言うが、怒りの感情を持っているわけでもなさそうだ。
しばらくハルヒと俺は、他愛もない会話をした。
「全く、何か面白い事が起きないかしら……」
と、言いつつも特に不満がある訳でもなさそうなハルヒ。
素直じゃない奴だよな。
「……そうだな。」
まぁ、俺も人の事は言えないのだが。
こんな受け答えをしつつ、今のこの状況がある意味“面白い事”だと感じている俺だった。
最も、こんな恥ずかしい事は口が裂けても言えそうにはないが。