短編小説
□ベリー・ベリー・ストロベリー
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「これとこれと……あとこれね!」
どうやらハルヒは最初から何を頼むか決めていたらしく、ほとんど迷う様子を見せる事もなく注文していった。
「はい、喜んで!!」
寿司屋か何かと間違えているようなテンションの谷口が手慣れた動きでコーンにアイスを乗っけていく。
……お前、何時からバイトなんてしてたんだ。
「ん?一週間くらいになるぞ!」
「なんでまた……ん?」
店の奥からなんとも愛らしい、小柄な少女が出てきた。
耳の後ろに結ばれたツインテールがまた素朴で可愛い。
「あれ、このお客さん、谷口君のお友達かな?」
「は、はい!そうなんですよ!あはははは……」
……これか。バイトを始めた理由は。
この不純な動機がなんとも谷口らしい。納得いった。
「じゃ、俺達はもう行くぞ。」
ほい、と谷口にアイスの料金を渡す。
ハルヒがそれを止め、自分で出そうとするが断った。
「でも、キョン……」
「いいから、ここは奢らせてくれ。な?」
「……ありがと。」
谷口の「ごゆっくり〜♪」という弾んだ声に見送られ、俺達は店を後にした。