短編小説
□喜緑江美里の分際
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なのに…
なのに… 何故?
願わずにはいられない。
“幸せになりたい”と。
私ごときがそんな事を願ってはいけないのに。
でも、気付いてしまったの。あの人への恋心はもう消されてしまったけど、あの人が気付かせてくれた思い。
―――せめて、私が“存在”している事だけでも感じて欲しい。
なーんて、とっても贅沢ですよね。
でも、願わずにはいられない。
だって………
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