L

□ごあいさつ
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襟元の緩い白いシャツ、穿きこなしたジーンズ、その絶妙な着熟し


指を添えられて、ぽかんと中途半端に広げられたその愛らしい唇


本当はでっかいくせに、ちっちゃくまとまるその座り方


加えて丸くて大きな黒目、極めて自然派なヘアスタイル、不健康そのものの食生活、激しい不眠症











母性本能ど真ん中です。







なのに


緩い襟元に垣間見える鎖骨


猫背に隠された広い背中


隈だらけの瞳に宿る鋭い眼光







…たまりません。




何故だか敬語口調であることや、語られない生い立ちは非常にミステリアスで…


その上



国家予算並みの経済力!





それに何より






    天才!!






その意味不明さが、素敵です最高です完璧です!!!



だからL



あなたの





あなたの遺伝子が欲しい!




いつだっていいんです。

気紛れだろうと思い付きだろうと



どこだっていいんです。



玄関だろうとトイレだろうと
たとえサバンナだって



どんなことされても泣きません。
いいえ、泣くのもまた、愛です。



そう、愛はあるんです。
えぇダダ漏れです。




……なので、小説を書かせてもらっても



よろしいでしょうか…?










『…どんな挨拶ですかこれは』


「先ずは愛を伝えてから、と思ったら…ちょっと暴走しちゃって(照れ笑い)」


『どこが"ちょっと"なんですか』


「やだー女にそんなこと言わせないで〜(大照れ←勘違い)」


『…どうも会話が噛み合わないようですね』


「えー、会話以上に噛み合いたいよー(下品だ)」


『支離滅裂です。段階や脈絡という言葉を知ってますか?』


「んんー?聞いたことあるけど、今はスルーで!!」


『そんなんで、人の心を打つような小説が書けると思ってるんですか』


「愛と妄想による心意気で書き抜きます(ハッキリ)」


『それは…非常に悪質な小説になりそうですが』


「正当な純文学です(キッパリ)」


『思い込みもここまでくると、もはや病気ですね』


「え、まともだよ?…あ、恋煩いかなぁ(照れ)」


『重症ですね…ワタリ、ワタリ!彼女を病院へ』


「だからまともだって(ヘラヘラ)」


『自分はまともだと思い込んでいる人ほど、ひどく病んでいるものですよ』


「そんな―――」




ことはない、と言い掛けたところでワタリに捕獲され………。

Lとの逢瀬はあっさり終了。





うーん、何がまずかったんだろう??これでも控えめにしたつもりなのに…。


まあ、挨拶が出来た(出来たか?)だけでも今回はヨシとするか…。





てことは、次回もあんの?




よし、次こそは押し倒して…(鼻息荒め)!




『蹴り入れますよ?』





あら?


どこかでLの囁き(違う)が聞こえた気がする……。




END.

リベンジは、きっとないかと思われます…。

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