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□最後の嘘
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真っ白なシャツ

真っ黒な髪


色だけなら強いコントラスト


だけど


円らな瞳

丸い背中


形づくるものは緩やかで

どこか拙くて







知ってる?


女ってギャップに弱いの



だから今も


広い胸と

力強い腕に


クラクラするほどヤラれてる






あのね




女って嘘つきなんだ



抱き締められた腕の中で

可愛らしく頬を染めながら




本当はね


スゴイコト考えてるの




柔らかそうな唇の
その中身が欲しい

とか


綺麗な長い指で
掻き混ぜてほしい

とか


深い漆黒の目に
視姦されて果てたい

とか




だけど隠してる

少しだけ怖いから






ねぇ、竜崎






私のすべてを知っても







あなたは変わらない?








どうしようもなく乱れても






本当に変わらない?







黒い瞳に未来は映らない



だから恥じらうの



隠して

誤魔化して

繕って




あぁ、でも

そろそろ限界




だって唇が触れて

絡んでしまったから





無造作な黒髪が
額を擽って

なのに舌技は
妖艶で卓越で


そんなギャップにもう、堕ちそう




もっと欲しい

もっと感じたい

いっそ狂いたい





あなたの唇と舌に

あなたの胸と腕に

あなたの肌と汗に





ねぇ、竜崎



これからなにを見ても

なにを聞いても

なにを感じても




離さないでね
離れないでね





もう


これから


嘘をつくのはやめるから




END.

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