L

□L's intention
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ああ、



貴方は気付いていないのでしょうね。

私が毎日どれだけこの時を
心待ちにしているか。




芳ばしい香りとともに

琥珀色の甘い珈琲を運んできてくれる貴方が


優しい声で



「どうぞ」



と、


その飲み物を、さりげなく、

作業の邪魔にはならない
位置に置いてくれるとき



カップに添えられた白い肌



その細い指先や
小さな爪にまで




見惚れています、私。








世界の切り札とまで称される



この私が



色恋に心踊らされていることなど


誰も知りはしないでしょう。

ワタリでさえも。







ですが私

嘘つきです。



こんな感情も

隠しきれる自信があります。








そして私

探偵です。



人の観察は得意です。



貴方が私の前に来るとき、
ほんの少しだけ頬が染まるのも、
見逃していません。




駆け引き、心理戦、

そんなことも出来たりします。





待つのも嫌いではありませんが



攻めるのも好きなんです。





なので今日から、


この言葉を言うときには


貴方の瞳を見つめてみます。


目を丸くした貴方が


どれだけ頬を染めるのか、




今から楽しみです。






『ありがとうございます』



2000HIT・ありがとうございます!!

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