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□帰ってきたモノ
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好きです、とアナタに告げた
私も、とアナタは答えた  
大好きなアナタと付き合えて
とても幸せだった。    



彼女はとても大人だった  



何でも一人で出来て    
どんな状況にも負けない位 
彼女はとても強かった   




『アレン、ケガ大丈夫?』 
「はい。アナタこそケガして
ませんか?」       
『私は大丈夫。アレンの方が
心配だよ…』       



アナタの涙は初めてだった 
自分の為じゃなく、彼女は 
僕の為に泣いていた。   



『無事でよかった…』   
『生きて帰ってきてくれて…
よかった…』       
『もう無理はしないで…』 



アナタの涙は僕の為にあるよ
うな気がしてしまう。   
なぜなら彼女が泣く時は、僕
がケガをして帰ってきた時だ
から。小さなケガでもアナタ
は心配してくれましたよね?



「大丈夫ですよ、アナタが悲
しむのなら僕は絶対にアナタ
の元へ帰ってきます。生きて」
『私も、絶対に帰ってくる。
アレンを一人にしちゃったら
アレン無理しちゃうもんね』



約束をした。彼女に誓った。
必ずアナタの元へ帰ってくる
アナタを一人にさせたくない
アナタを悲しませたくない 
アナタと離れたくない   
アナタとずっと一緒にいたい




『アレン、今から任務に行っ
て来るね。一週間したら帰っ
てくるから。』      


いつものように報告して  
いつものようにキスを交して
いつものように抱き締めて 
いつものようにアナタは笑う



『すぐに帰ってくるから。』


まるで子供をあやすように 
まるであたかも、帰ってくる
ように          






誓いましたよね?     
アナタは帰ってくると   
誓いました        
アナタの元に帰ってくると 








ってきたモノ






無残な傷を残し      
動かぬ人形と化したアナタは
確かに、「帰ってきた」  












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