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□悪人は、善人によって殺される
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『ティキ、また仕事?』   

玄関でクツを履いてれば、寝間
着姿で枕を抱いた愛しい彼女 
まだ早朝で、彼女が起きている
にはかなり珍しい時間帯のはず



「あぁ、大丈夫。夕方には帰る
からな。」         
『…ティキはまた、エクソシス
ト殺すの…?』       


こいつは血を嫌う      
たまに双子が返り血を浴びて帰
ってきた時は大騒ぎだったな 
血を見た瞬間、泣き崩れて、体
を震わせて、俺に縋り付いた 
千年公が帰って来て、それを見
つければ、双子はこっぴどく叱
られてたな         



こいつは、「優しさ」で出来て
いるようなもんだ      
だから俺が仕事に行く前に会う
と、すごく悲しそうにする  



「…仕事帰りに土産買って来て
やるから、何がいい?」   
『…ティキが帰って来れば、そ
れだけでいい…』      


全く、可愛い事言うな?   
頭を優しく撫でてやれば気持ち
良さそうに目を閉じる    
これだから嫌いにならない  
ロードとは違って、可愛くて、
素直で、寂しがり屋で、優しい
だから好きになったんだけどな



『ティキ、早く、ね…?』  
「あぁ、わかってる。俺もお前
とは離れたくいからな。」  
『…早く、生きて、帰って来て
ねっ…』          
「…わかってる。安心しろ。絶
対に帰って来るから。今まで俺
が嘘ついた事あるか?」   
『…ううん…』       
「だろ?寝て、起きて、ロード
達と朝飯食べて、部屋の片付け
して、双子と遊んで、晩飯を食
う。一日なんてすぐだろ?」 
『…夕御飯、一緒に食べられる
…?』           
「間に合うようにする。」  
『ん…じゃあ、待ってるね。』


俺はもう一回頭を撫でてやって
から、クツをしっかり履いて屋
敷を出た          



歩いてる途中に不思議に思った
んだけど、そういえば何でこん
な時間にあいつは起きてたんだ
?             












人は、人によって
される





帰り道、見掛けたエクソシスト
の足元には、真っ赤なあいつが
倒れていた         

そのエクソシストは、心臓を掴
む俺に命乞いをしてきた   
「殺さないでくれ」     


もちろん今の俺には聞こえない












┼─────補足─────┼

ヒロインは朝から仕事だったんです。
仕事に行く前にティキと会ったんです。本当は、仕事に一緒に来てほしかったんですよ。

最後は、狙いだったエクソシストに殺された場面ですね。
その後、ティキがそのエクソシストの心臓を潰したんです。


最近、死ネタや切系が多いのはなぜ…?






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