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□時は待ってはくれない
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『他人を傷つける人は大事な何
かを守ろうとしてるんだよ?』


低血圧だから朝は起きれないだ
ろうと思って、部屋まで行って
起こしてあげてから朝ご飯を食
べてる時に、キミは言った  

毎日のようにハンバーグばかり
食べて、飽きないのか?って聞
いたら飽きるわけない、って断
言された          


彼女も、俺と同じように戦争で
家族を亡くしている     
アカデミーで一緒になり、それ
から俺はどんどを曳かれていっ
て、ヨウランやルナに押されて
告白をして、付き合い始めた 


「守る為だからって、他人を傷
つけていいわけないだろ?」 
『じゃあシンは、私が誰かに殺
されそうになってもその相手を
殺そうと思ってくれないの?』
「あ、いや、そういうわけじゃ
…そりゃあ危なくなったら助け
るし、誰かに傷つけられたり、
させられそうになったら相手を
恨むに決まってる」     
『ありがとう。でも、人を傷つ
けるのは良くないよね…だから
と言って、何もしなかったら大
事なものを失っていっちゃう。
人にはそういうのがあるから戦
争がおきるんだよ』     

少しの間、沈黙があると暗くな
っちゃったねと言って、他の話
題を見つけて話しだした   












久しぶりに地上に降りる事が許
されて、皆は自分の好きなよう
に買い物したり、のんびり寝た
りして過ごしていた     
俺も適当に買い物して、夕方に
帰ってくればアスランがいた 
俺の大好きな彼女と一緒に  



「本当、なのか…?」    
『間違いないよ。アスラン。』


俺はすかさず物陰に隠れて、深
刻そうな二人の会話に聞き耳を
立てた           



『信じてくれない…?』   
「…その傷を見て信じない訳に
はいかないだろう?安心しろ、
他の奴には言ったりしない」 
『…ありがとう…』     


傷?出かけた時に転んだりした
のかな?結構抜けてる所あるし
…でも、信じるって何の事だ?
それに他の奴には言わない、っ
て…俺にも教えてくれないのか
?アスランには教えてるのに 



「…シンには話したのか?」 
『ううん…シンは信じてくれな
いよ。純粋でまっすぐだから、
彼の事を信じてるからね』  
「しかし…君の命が狙われたと
なると例えシンでも、議長より
も君を信じるはずだがな」  


命を狙われた?議長?    
どういう事だ?傷っていうのは
殺されかけたから受けたのか?
俺がいない時に、アスランには
話して、俺には話してくれない



『シンまで巻き込むわけにはい
かないし、私は全然大丈夫だか
ら…』           
「…怖かったな。もう大丈夫だ
。これからは俺がついてる。」
『うん…っアスラン…』   


泣いてる姿を見るのは初めてだ
いつどんな時でも、強く凛とし
ていて弱音を吐いたりしない 
彼女の弱い所を見たのに彼女は
俺じゃなく、他の男の腕の中で
泣いている         






私が誰かに殺されそうになって
もその相手を殺そうと思ってく
れないの?         



そんなわけないじゃんか   
大事な人が傷つけられて平気な
わけあるわけない      
そして大好きな彼女が他の男を
頼って、自分に頼らない事を悔
しがらないわけない     




明日ちゃんと伝えよう    
俺がキミを守るから、どんな事
があっても俺はキミの味方だか
ら、誰もキミを傷つけたりは絶
対にさせないから      



















ってはくれない








次の日、アスランとメイリンと
キミが脱走したと言う報告を聞
いた            

そして俺は、この手でキミを傷
つけてしまった       








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