Sound Horizon
□黒の神子と憎しみの風車の少年
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何が起こったのか、よく分からなかった。
ただ 誰か 人が近付いて来ている事は頭で理解していた。
誰が来たのか よく分からなかった。
まさかそれが違う地平線の、
黒の神子<ルキア>だったなんて…
「ローランサン。」
ぽん、と肩に置かれた手にびっくりした僕は、
もしもの為に装備していた黒い剣を落としてしまった。
なんてザマだ。
これが敵だったら、どうなっていたんだろう。
剣を拾いながら
僕は黒の神子に向かって返事を返した。
「なんでしょうか、黒の神子。」
「やめてよ、そういうの嫌いなの 君知ってるだろ?」
「ハハッ、ごめん。ルキア。」
僕と同じ白い髪がサラサラと風で揺れる。
自分で言うのも何だが、
黒い剣が似合う僕と反対に、
彼女には白と青がよく似合って居ると思う。
この王国内に居ると、
時々違う地平線の人と会うのはよくある事だ。
この前なんか、白くて小さい少女に
「楽園は本当に在るの?」
と問い詰められて、
かなり困ったのは事実 なかなか開放させてくれなかった。
ほら例えば、
「ガラスってなあに?」
↓
「ガラスはお家の窓についてるやつだよ。」
↓
「まどってなあに?」
↓
「窓っていうのはあれだよ。」
↓
「あれってなあに?」
ってなった事無い?
あれと一緒さ。
「ローランサン、聞いてるのかい?」