Sound Horizon

□黒の神子と憎しみの風車の少年
1ページ/2ページ



何が起こったのか、よく分からなかった。


ただ 誰か 人が近付いて来ている事は頭で理解していた。



誰が来たのか よく分からなかった。


まさかそれが違う地平線の、
黒の神子<ルキア>だったなんて…



「ローランサン。」

ぽん、と肩に置かれた手にびっくりした僕は、
もしもの為に装備していた黒い剣を落としてしまった。


なんてザマだ。


これが敵だったら、どうなっていたんだろう。

剣を拾いながら
僕は黒の神子に向かって返事を返した。



「なんでしょうか、黒の神子。」

「やめてよ、そういうの嫌いなの 君知ってるだろ?」

「ハハッ、ごめん。ルキア。」


僕と同じ白い髪がサラサラと風で揺れる。

自分で言うのも何だが、
黒い剣が似合う僕と反対に、
彼女には白と青がよく似合って居ると思う。

この王国内に居ると、
時々違う地平線の人と会うのはよくある事だ。

この前なんか、白くて小さい少女に
「楽園は本当に在るの?」
と問い詰められて、
かなり困ったのは事実 なかなか開放させてくれなかった。

ほら例えば、
「ガラスってなあに?」

「ガラスはお家の窓についてるやつだよ。」

「まどってなあに?」

「窓っていうのはあれだよ。」

「あれってなあに?」


ってなった事無い?


あれと一緒さ。





「ローランサン、聞いてるのかい?」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ