神動四戦記

□一章
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「麗将軍!おはようございます!」
麗とは、麗伯(リハク)という、先程、女官に叩き起こされた人物の名前。
声をかけたのは麗伯の補佐役である軍師の洵法(ジュンホウ)。
身長は低く、歳は結構な方。

「休養は大切なことですが、もう少々、時刻を守っていただかなくては、兵にもだらしなさがでてしまって…」
「よし。お前達、今日も俺に手合わせして貰いたい奴から出て来い!」

まったく聞き耳をもたない麗伯に洵法は頭を抱え、ため息をついた。



「で、でやぁ!」
「そんなへっぴり腰じゃあ、相手には勝てない…ぞ!」

切りかかって来た鍛練兵を、麗伯は意図も簡単に投げ飛ばした。

「次っ!!」
「お願いしますっ!!」

先程までは呆れていた洵法も、彼の剣さばきの美しさには、有無を言えないでいた。
「やはり、剣の腕は本物ですな。」
「おお、これは祝触殿。」

音も無く現れ、洵法の横へと立ったのは祝触(シュクソク)。
洵法と同じ軍師である。

「まだ若いから、でもあるでしょう。」
と、洵法は笑った。

祝触も合わせて小さく笑み、失礼。と鍛練場を後にしていった。

「麗将軍、ここらで今日は終わりとしましょう。」

洵法は座っていた石段から腰を上げると、まだ剣を兵と交えていた麗伯に向かって言った。
どことなく、彼の顔は嬉しそうだ。


「「ありがとうございましたー!!!」」鍛練は兵の大声で幕を閉じた。
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