novel-old

□※いまは、まだ。
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なんだか危なっかしくて。
気が付くと、いつも目で追っていた。
だからもちろん知ってるよ。
きみが、あいつとどういう関係なのか。



静まり返っただだっ広い整備場に、戦い疲れた機体がぽつり。
どうせ集中していて、声をかけても気付かないのだろうから、コックピットまで上がって中を覗き込んでみる。
目当ての少年は、一人難しい顔で、画面と睨めっこしていた。

「キラ、その辺にしておけ。昨日もろくに寝てないだろ?」

急に声をかけたら、びくっとハムスターみたいにこちらを振り向いて、次に少し不思議そうな顔をした。

「あの・・・僕昨日、早めに部屋に戻りましたけど。なんで、寝てないってわかるんですか?」
「そりゃあ、あいつがお前さんの部屋に入って行ったからねぇ」
「・・・見てたんですか」

途端にキラの顔が真っ赤になる。
あぁもう、そういう顔、おじさんに見せちゃだめでしょ?
いや、おじさんって言ってもまだそんな年じゃないけど。
なんていうか、こいつら見てると、お子様で純情で一途で真剣すぎて。

壊して、奪ってしまいたくなるんだよね。

「・・・ね。あいつ、うまいの?」
「なっ・・・!そんなの、知りませんよ!」

真っ赤だった顔がさらに染まって。
かわいそうなくらい慌てる姿が、余計に感情を煽る。

「あの、僕、出ますからっ!そこ、どいてくださ・・・ちょっ、なんで入って来るん・・・んっ」

立ち上がろうとしたところを押し戻して、身を乗り出して唇を奪う。
後ずさる身体を追って、戻れないところまで追いやった。
この身体も、自分の感情も。

「ン、ぅ・・・ん、んーっ!」

押し付けるような深いキスが苦しいのか、色気も何もない声を上げて、必死で肩にしがみ付いてくる。
普通、逆でしょ?
押し返すところで、そんな風にかわいく掴まれちゃったら、ほんとダメだってば。

「・・・はぁっ・・・なに、するんですか・・・っ」
「ちょっと、味見してみない?」
「・・・あじ、み・・・?なに、の・・・ちょ、やめてくださ・・・・っ!」

狭いから、ろくに抵抗することもできないらしい。
僅かに暴れて拒もうとする足を簡単に押さえて、下着ごとズボンを膝まで下ろした。

「やっ・・・ムウ、さ・・・いや、です・・・!」
「ちょっとだけ、ね?あいつより気持ちよくしてあげられるから」

怯えた表情と同じで、縮こまっているキラ自身。
まずは手のひらで包んでやって、ふにふにと揉んでみる。

「・・・っ!ぁ・・・はぁ・・・」
「お、さすが若いねー。すぐ反応する」

すぐに熱を持ったそこを、今度は握って。
そのまま何もしないで、とろんと蕩けた表情を見ていると、物欲しそうにキラの腰が揺れる。

「ムウ、さ・・・」


堕ちるのは、はやかった。

テクに自信があるだとか、経験豊富な大人だから、とか、そういうつもりじゃない。

ただ、求めて欲しかっただけ。
何も知らない子どもだから、色々教えて、汚して、依存してしまえばいい。

だから、まずは俺を味見してみて?


「や・・・ぁ、イク・・・また、出ちゃ・・・あ、あぁァ・・・っ!」

何回目かわからない精が放たれる。
使っているのは右手だけ、触っているのは一箇所だけ。

もうすっかり快楽の虜になってしまった幼い身体は、次の刺激を求めて火照る。

「ムウさん、もっと・・・もっと、して・・・」

求められて、強請られて。

いつの間にか意識をなくしたキラを抱き起こして、部屋まで運ぶ。

挿入しないで満足するなんて、信じられないけれど。
気分は驚くほどすっきりしていて、心地よかった。


キラの部屋の前に、あいつがいた。
戻りが遅いキラを待っていたのだろう。

ぐっすり眠っているキラを見て、不審そうな目を向けられた。

「整備中に寝ちゃったみたいなんだよねぇ。悪いけど、任せていい?」

いつもの気の良い上司を装って笑いかけ、キラを渡す。
ちゃんと始末はしたし、痕も何も残してない。
触れたのは前だけだから、まだバレないだろう。

まずは、ここまで。
あとは、キラ次第。

大事そうにキラを抱えて部屋に入っていく姿を見送って、小さく微笑んだ。
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