novel-old

□※はじめて
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いつからあいつのことを意識し始めただろうか。
親友と純粋に呼べた日は確かにあったはずだが、気付いたときには違う感情が芽生えていた。
不安なくせに意地を張ったり、怖いくせに強がったり。
でも嬉しいときは素直に笑うその笑顔から、いつしか目が離せなくなった。

「アスラン、どうしたの?」
ふいに顔を覗き込まれて、明日の作戦を自分の部屋で打ち合わせている途中だったことを思い出す。
「・・・えーと、なんだっけ?」
「もー、ちゃんと聞いててよ。・・・失敗したら僕たち、死ぬんだよ・・・?」
むくれた表情の後、僅かに俯いた。
消え入りそうな声が震えていて、今まで隠していた戦いに対する恐れが表れる。
アスランは頼りなく床に座っているその身体に衝動的に手を伸ばした。
「・・・アスランっ?」
次の瞬間には腕の中に収まってしまった細い身体を抱き締めると、キラが息を飲むのがわかる。
状況が掴めていないようで、抵抗するわけでも暴れるでもない反応に、想いが溢れだすように募っていった。
「・・・好きなんだ・・・お前のこと」
「・・・え?好き・・・って・・・えぇ!?」
囁きかけた耳がみるみる赤くなって、裏返った声と共に間近で見上げられる。
咄嗟に押し返されそうになった身体をしっかり抱き込んで、今までで一番近い距離にあるその表情を見つめる。
目が合った瞬間、まるで自分に引き付けられているように逸らせないでいる視線を繋ぎ止めて、見つめたまま唇を重ねた。
「・・・っふ・・」
塞いだ瞬間びくりと強張った身体を優しく抱き締め、支えながらゆっくりと床に寝かせてゆく。
柔らかさを味わうようなキスのあと、見下ろす瞳に浮かぶのが嫌悪や恐怖なのかはわからなかった。
「・・・キラは俺のこと嫌い?」
低く問えば、戸惑うように視線を逸らされた。
「・・・嫌いなわけ、ないじゃん・・」
「じゃあ、好き?」
「・・・え・・っと・・・」
間髪入れずに続けるとキラの言葉は不安げに濁る。
「俺はずっと、こうしたいと思ってた」
「・・・ぅわっ?ちょ・・・」
するりと服の中に手を滑り込ませ、直に温かい肌に触れると、その身体への欲求が余計に高まった。
確かめるように辿らせた指先にくすぐったそうに応じるのが愛しくて、止まらなくなる。
一瞬仰け反った首筋に顔を埋め、口付けを落とす。
軽く吸う度にぴくりと跳ね、赤い印が浮かび上がる様は見惚れるほど綺麗で、だんだん熱を持つ身体はもう歯止めが効かない。
「んっ・・・ぅ・・・やめ・・・」
勢いついてしまった焦りが伝わったのか、小さく抵抗し始めた腕を押さえて真正面から向き合った。
「・・・明日には、死ぬかもしれないんだ」
「・・・・アスラ・・・」
ずっと心の隅にあった不安が零れ落ちる。
日々絶えることなくやってくる敵に立ち向かうのは決して楽しいことではなくて、死と隣り合わせの毎日は精神的にも辛すぎた。
そして何より恐れているのは、自分が死ぬということより、キラを失うこと。
死を前提にするのはあまりにも哀しいことだが、それほどまでにアスランは自分でも気付かないいうちに思い詰めていた。
「キラを俺のものにしたい・・・」
「アスラン・・・・・・」
最早正気を失っているかのような熱を帯びた瞳にキラは何も言えず、押し返そうとしていた腕の力を抜いた。
キラが抵抗をやめると、掴んでいた手を離し、再び白い肌への愛撫を始める。
捲り上げた服から覗いた突起は指先で触れると僅かに硬く立ち上がり、唇を付け舌で包み込むと電気が走ったように身体が跳ねた。
「ぁ・・・っ・・」
思わず出してしまった甘い声にキラは驚き、頬を赤くする。
その反応に満足し、着実に刺激を与えながら、片方の手でズボンの前を開いた。
器用な手つきに不安げな表情が浮かび、その瞳がアスランの行動の先を読んで揺れる。
躊躇ない手はすぐにキラの熱に辿り付き、下着の上からやんわりと握り込んだ。
「ちょ・・・アスランっ?」
「大丈夫。・・・俺を信じて?」
「・・・ひゃっ・・ん・・・」
下着の中に潜り込ませ、勃ち上がりかけているそれを握り締めると、怯えた瞳に熱が浮かぶ。
そのままゆっくり上下に擦りながら身体をずらし、舌先で腹を伝って、足の付け根に辿り着いた。
「う・・・ぁ、はぁっ・・・ン・・」
執拗に周辺をなぞり、荒くなっていくキラの息遣いを確かめながら手の動きを速める。
ぴくぴく震える先端に口付け舌で窪みを突くと、一際甘い声が上がった。
「や・・・め、も・・・出る・・・っ・・・あ、やぁっ・・・!」
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