novel-old

□※欲求不満
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ぴちゃぴちゃと部屋に響く水音が、僕の理性をつなぎとめていた。
まだ、罪悪感があるんだ。
アスランがいない寂しさを、1人で慰めているこの状況に。

「・・・っふ、・・・ぁっ・・・あぁっ・・!・・・・はぁ・・・」
放った開放感と気だるさに、力なく横たわる。
余計なことを考えずにこのまま眠ってしまおうと瞼を閉じた時、部屋のドアが開いた。

「・・・キラ?」
「アスランっ!?今日帰ってこないんじゃ・・・」
がばっと飛び起きてその姿を確認し、なんとも言えない複雑な気持ちになった。
ドアが開くのがもう少し早くなくて良かったという安堵感と、会えた嬉しさが入り混じる。
「思ったより早く終わったからさ。・・・ごめんね、寝てた?」
「あ、うん・・・大丈夫」
そう距離はないドアとベッドの間を、アスランがゆっくり歩き出す。
慣れた仕草で頬に触れる指先がくすぐったくて、小さく身じろいだ。
「・・・っ・・・ん・・・」
瞳を閉じた隙にぎし、とベッドに乗り上げる音がして、唇が合わさる。
毛布ごと抱き締められた身体がシーツに沈んで、次に見えたのは自分を見下ろすアスランの瞳だった。
「ど・・・したの?」
らしくない唐突な仕掛け方に問いかけると、その瞳がふっと微笑む。
「・・・さっきのキラの声に挑発された・・・かな」
「・・・・・え?」
何のことか分からずにいるうちに、毛布を剥ぎ取ったアスランがするりとズボンの中に手を忍ばせた。
「・・・まだ足りないんじゃない?」
「・・・えっと・・・まさか・・・聞いて・・・」
「結構壁薄いみたいだね、ここ」
「〜〜〜〜〜っ!!」
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