novel-old

□※サイゴまで
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今日は、そういう気分じゃない。
誰だってそんな日はあるだろう。
けれど、そんなのお構いなしで仕掛けてくるのが僕の恋人だ。
あまり頑なに抵抗すると、本気で縛り上げられてしまうので、結局一番酷い目を見ることとなる。
悔しいことに最後には結局求めてしまっている自分がいるのだから、その後強く文句を言えないのも事実なのだが。


「キラ・・・」
そっとベッドに入ってきて、低い声で僕の名前を呟く。
これは、『シタイ』っていう合図。
熱っぽい瞳から目を逸らしても、構うことなくアスランは僕に触れてきた。
「・・・今日は、ヤダ」
「キモチよくするから・・・ね?」
覆い被さられて、そろりと手が僕の下半身を撫でる。
ぞくりと背筋を伝う感覚に流されそうになるのを、必死に抑えた。

そこで、ついこの前思いついたこんな時の為の最良の作戦を開始してみることにした。
「今日は疲れてるからヤなの。したいならクチでするから・・・ね?」
「・・・え?」
ちょっと上目遣いでそう言うと、アスランの顔がみるみる緩んでいくのがわかった。

これこそ考え抜いた末の、うまい切り抜け方。
さっさと出させて満足させちゃえばいいんだ。
ちょっとは疲れるけど、入れられるより負担はだいぶ軽いはずだ。

「ほらアスラン、寝て?」
僕は身体を起こして、ぼけっとしているアスランを押し倒す。
「・・・キラ、どうしたの?」
少なくとも普段こんなに積極的ではない僕に戸惑うのは無理もないだろう。
アスランの質問には答えずに、ズボンの前を開きながら悪戯っぽく微笑んだ。
「今日はしてあげたい気分なの。・・・いいでしょ?」
そう言いながら覗かせた舌先で、取り出したアスランに触れる。
「・・・・っ」
ぴくん、とアスランの身体が跳ねた。

自分からしといて言うのもなんだけど、僕はコレが得意なわけじゃない。
だから、いつもアスランが僕にするように。
僕がキモチいいように、アスランにもキモチよくなってもらうために。

まずは舌先でツー、と形をなぞって、じわっと先走りが溢れるのを確かめる。
すでに張り詰めているソコは大きくて、熱い。
くびれのあたりを弄っていた舌を引っ込めるように唇を寄せ、ちゅっと音を立てて吸い付いた。
「んっ・・・」
漏れる吐息を誤魔化すように、アスランが僕の髪の毛を絡み取る。
優しく梳くように辿ったその指先が耳の裏を撫でた瞬間、痺れるような感覚が走った。
「・・・っ・・・」
「・・・キラ・・・」
僅かに跳ねた僕の身体に気付いたのか、艶を含んだ声で呼ばれて、目線だけをアスランの顔に向けた。
求めるように見つめられるその表情が予想よりずっと色っぽくて、僕は慌てて行為に戻る。
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