novel-old

□※終わらない夜
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「やっ…だぁ…、んっ、やめ…」
指先で腹から足の付け根までを撫でて、散々放ったばかりのそこに触れた。
「しっかり勃ってんじゃねーか。まだ出るだろ?」
握った手を上下に動かし、射精を促すような確実な刺激を与えると、とろんとした瞳にまた涙が浮かぶ。
まるで求めているかのようなそれにいつも煽られて止まらなくなるのは瑛里のほうだ。
「やだっ、も、出ないからぁ…っ…あっ、ン、や…っ…あぁっ!」
びくっと跳ねた身体が、放った余韻に小さく震える。
手の平に放たれた白濁を見て、瑛里は薄く笑ってみせた。
「出ないんじゃなかったのか?愁チャン」
「………意地悪っ…」
「悦んでるのはお前だろ?」
「ちがっ…、…ちょ、まっ…ほんと、そっちはムリだからっ!」
慣れた手付きで後孔を探り始めた瑛里に、愁一はいよいよ本気の抵抗を見せる。
身を捩っても余計誘い込むように埋められていくそこはすでに柔らかく、すんなり進入を許した。
「あ、やぁっ…あ、ぅんっ、やめ…やだっ…」
「すげーひくついてるけど?やめていいのか、コレ?」
「ひゃ…っあ、やだぁ、んっ…」
中で指を曲げて良い所を擦り、いつの間にかまた上を向いている愁一の先端を舌先で軽く突く。
まだ指1本しか与えていないそこは物足りなさそうに収縮して、その度に先程の瑛里の名残が溢れ出した。
「ぅ…だ、め…っ…ゆきぃ…」
「…やめようか?」
「やだっ…や、ぁ…んっ」
埋めたまま指の動きを止めると、誘うように腰が揺れて締め付けられる。
「言ったよなぁ?やめてほしいんだろ?」
「ん、やっ…!…め、ないで…っ」
「ん〜?なに、もっかい言ってみ?」
意地悪く緩い刺激だけを与えると、潤んだ瞳に見つめられた。
「っ、…やめないで…もっと…して」
息と息の間の掠れた涙声に、ずくんと下半身が疼くのを感じて、瑛里は満足そうに目を細めた。
「・・・エロガキ」
「ふ、あ・・あぁっ・・・!」
指を引き抜いた途端に押し込まれた熱に悲鳴を上げ、愁一が背中を撓らせる。
すでに柔らかかった中は熱く、奥へと導くように蠢いた。
誘われるまま腰を打ち付け何度か揺さぶると、シーツを掴む愁一の力が強くなる。
「あっ、ン、う・・・っ・・ゆ、きぃっ・・・オレ、でちゃ・・っ・・」
「・・・早いだろ、まだ・・・」
「だ・・・って、きもちい・・・っ・・・は、あ、ンあぁっ・・!」
昇りつめる直前で愁一の根本をきつく握り締め、それを制した。
放てないもどかしさに涙を零す濡れた表情は言い得ぬ色香を存分に滲み出して、余計に瑛里を煽る。
「ガマンしてろよ?」
「あ、やっ、も・・・むりぃ・・・っ・・・おかしくなる・・よぉっ!・・ン、はぁ・・っ!」
戒める手はそのままに、痙攣する刺激が良くて、わざと中のいいところを狙って突き上げる。
辛すぎる快感に自然と逃げようとする腰を引き寄せ、少しでも離れることを許さない。
もう少しこのままで、と思ってしまう瑛里の方が快感に酔っているのかもしれなかった。
「・・・っく、出す・・・ぞ・・・」
「う・・・ンっ、あっ、ひぁ・・・あ・・・ん・・・っ!」


どうして酷くしてしまうのだろう。
あのまま意識を失ってしまった愁一の頬に触れてみる。
こうしているときは優しく触れてやることができるのに。

煽り煽られ、結局負けてしまっているのは瑛里のほうなのかもしれない。
自分を求める愁一が愛しくて、すべて与えてやりたくて。

酔っているのは、自分のほうだった。
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