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□想い、胸の中に
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何度も
何度も
繰り返す。


人間と死神は、所詮人間と死神なんだと。




「おい、ルキア早く起き‥いねー…」


最近の私は少し、いや随分とおかしい。

動悸も胸の痛みも、尋常じゃないのだ。


「浦原め…毎度毎度きちんとメンテナンスをしろと言っておるのに…」


こんな事を口にして、自分の気持ちに気付かないふりをする。


だけど‥本当は知っておるのだ。

私が動悸を感じるのも、胸の痛みを感じるのも‥全部、一護といる時だけ。

それがどんな事かも痛い程わかる。



しかし、それは…あってはならない感情で、持ってもならない感情だ。



「おい、ルキアてめーなんで先に行くんだよ」


振り返ると軽く息を切らした一護が立っていた。


「…一緒に行く約束などしておらんだろう。」

「そう、だけど…」


何故そんな顔をするのだ。

やめてくれ、これ以上私の心の中を掻き乱すのは。


私と貴様は、ただの…


死神と死神代行。

それ以上でも以下でもない。


今だってほら、こんなに必死に言い聞かせてる。


思いとは裏腹な私の心に、きつく、きつく。


何故だ、何故だ、何故だ…

何故私は…一護に恋情を抱く。


どうして、どうして、どうして…

傾く想いが人間に、なのだ…



「…そんな所で立ち止まっておると遅刻するぞ、たわけが。」



いつか、私はここからいなくなる。

そうすればきっと、この気持ちも時の流れと一緒に薄れて行くだろう。



それまでは…


どうか彼が隣に立つ度に酷く胸を痛ませている滑稽な私を御許し下さい。



「ちょっと待てってルキア!」




end‥




いきなり軽い悲恋のような話しです。
この二人きっと両想いなんだよ…それなのに…
悲しき現実です。





201005
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