novel*
□悪しからず
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最初は、ただ、「家族」みたいなモノだと思ってたんだ。
だけど。
アイツにとってのオレは
「家族」じゃなくて―
悪しからず
「歴史の道標」との戦いも終わり、仙人達と人間の関わりが殆ど閉ざされた。
道士・仙人達は地球と変わらない、緑の広がる大地で暮らしている。
それは当然、
この2人―ナタクと天祥、にも言える事。
―天祥は、
妲己の陰謀により馴れ親しんだ朝歌で母と叔母を亡くし
先の仙界大戦でも父も、道士である2番目の兄も亡くしてしまった。
今では
人間界に残る祖父と他の兄しか血の繋がる者はいない。
槍が使えるような力があるとはいえど
まだ幼い子供だ。
母親の愛情と
父親の強さ
そして
兄弟の優しさ
全て、教えられないうちに
亡くしてしまった
特に、「愛情」は。
道士である兄、天化までも亡くし、落ち込んでいた天祥
ナタクは、そんな天祥を(最初は半ば無理矢理)連れてきた。
「オレがお前を育ててやる」
この言葉が、どれほど天祥の支えになっているだろうか
そして同時に、それは天祥がナタクに特別な感情を抱くこととなった