月華の戀語り1
□牢獄茨姫
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部屋から連れだして、自室にひっそりとアレンのことを運んだクロス。
そこに少年であった弟子に扱うあの乱雑さは一切なく、優しく・・・・・丁寧な手付きが伺えた。
未だ、深い眠りについているアレン・・・・・
その目尻は赤く腫れていて、きっと泣きはらしたのだろうと悟った。
今ならわかる・・・・。
アレンは、コムイの妹に嫉妬していたのだ。
自分には決してない、その甘い優しさに・・・・・
そうされることは絶対無い、自分と彼女の差に・・・・・
そうして爆発したのだろう・・・・。
だからあの時、弟子はコムイの妹にあんな怒声を浴びせたのだ。
「仕方ないだろ・・・・?半分はお前のせいだしな。」
弟子の頬を優しく撫でてやるクロス。
そうすれば、アレンの寝顔は自然と和らいだのであった・・・・・。
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