月華の戀語り1
□天空の輪舞曲(ロンド)
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コツ―――ン・・・コツン―――・・・コツ―――ン・・・・
ガチャッ・・・・
「・・・・もう、終わりにしよう。」
クロスの部屋を出て、屋上へと辿りついたアレン。
空は丁度三日月が真上にあがってきたところで、アレンはそれになんともなしに「キレイ・・・・」と、呟きながら手摺のない縁に立った。
風が今夜は強く、アレンの髪を激しくはためかせる。
下を見れば教団を囲むように生えている林が見えるだけで、しかしここから落ちれば死ぬのは確実だろうと思った。
「でも、“私”は、きっとあの影が死なせてはくれないんだろうなぁ・・・・」
一度目はティキにイノセンスを壊された後、瀕死となったとき見た夢の中・・・・
そして、二度目はあの方舟の中に隠された部屋の中で・・・・
アレは・・・・きっと自分に関係がある。
否・・・・絶対ある。
でなければ、あの影が言っていたことと、ティムが持っていたあの楽譜の中央の紋章の意味がわからない。
「だから・・・・・“私”は、まだ死ねない・・・・っ。」
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