月華の戀語り2
□【夢想庵】より・・・
2ページ/10ページ
一人目の来店
『クロス・マリアン様』
出「いきなり貴方ですか。(呆)」
ク「何だ、その呆れきったような顔は。オレが来ちゃ悪いのかよ、おい。」
出「いえいえ、別に・・・・ただ真っ先に一言言っておきますが、
お酒は一切出ませんからね?」
ク「・・・・・チッ」
出「ここは夢を見せる店なんです、居酒屋なら他当たって下さい。」
ク「顔は美人のくせして口が悪い女だな。ならさっさと夢とやらを見せろ。こっちは弟子を酒場に置いてきてんだ。」
出「なのにうちに来たんですか?わからない人ですね。(呆)」
ク「テメェは本当に口だけは達者のようだな。」
出「これで生きていますから。」
ク「その笑みやめろ。どっかの糞デブを思い出す。」
出「ああ、あのビール樽のような腹の方ですか。あの方私の客を盗るから嫌いなんですよね。」
ク「なら教団にでも入って奴をリンチにでもすりゃあいいだろうが。テメェのその能力がありゃあ一発で入れるだろうが。」
出「嫌ですよ。(キッパリ)私あそこ嫌いですから。人体実験するような所に入る気ありませんね。」
ク「ふん・・・・まぁそりゃあそうだな。」
出「それで?本日はどんな夢をご所望ですか?お客様?」
ク「ふん・・・そうだな。馬鹿弟子がオレの子供を産んだ夢でも見せろ。」
出「あら、貴方にしてはなんともいえない夢をお望みで・・・・」
ク「見せないなら帰るが?」
出「いえいえ、見せますよ。わかりました。それでは私の手を握り下さい。さすれば貴方はもう夢の中におりますから・・・・」
ク「何時間くらいだ。」
出「大丈夫・・・・貴方が目を覚ます頃には、愛しいお弟子さんが貴方を向かえに来ていますよ。」
ク「ならいい・・・・」
出「おやすみなさいませ・・・・クロス・マリアン様」
.