月華の戀語り2

□【夢想庵】より・・・
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一人目の来店


『クロス・マリアン様』






出「いきなり貴方ですか。(呆)」

ク「何だ、その呆れきったような顔は。オレが来ちゃ悪いのかよ、おい。」

出「いえいえ、別に・・・・ただ真っ先に一言言っておきますが、



お酒は一切出ませんからね?・・・・・・・・・・・・・

ク「・・・・・チッ」

出「ここは夢を見せる店なんです、居酒屋なら他当たって下さい。」

ク「顔は美人のくせして口が悪い女だな。ならさっさと夢とやらを見せろ。こっちは弟子を酒場に置いてきてんだ。」

出「なのにうちに来たんですか?わからない人ですね。(呆)」

ク「テメェは本当に口だけは達者のようだな。」

出「これで生きていますから。

ク「その笑みやめろ。どっかの糞デブを思い出す。」

出「ああ、あのビール樽のような腹の方ですか。あの方私の客を盗るから嫌いなんですよね。」

ク「なら教団にでも入って奴をリンチにでもすりゃあいいだろうが。テメェのその能力がありゃあ一発で入れるだろうが。」

出「嫌ですよ。(キッパリ)私あそこ嫌いですから。人体実験するような所に入る気ありませんね。」

ク「ふん・・・・まぁそりゃあそうだな。」

出「それで?本日はどんな夢をご所望ですか?お客様・・・?」

ク「ふん・・・そうだな。馬鹿弟子がオレの子供を産んだ夢でも見せろ。」

出「あら、貴方にしてはなんともいえない夢をお望みで・・・・」

ク「見せないなら帰るが?」

出「いえいえ、見せますよ。わかりました。それでは私の手を握り下さい。さすれば貴方はもう夢の中におりますから・・・・」

ク「何時間くらいだ。」

出「大丈夫・・・・貴方が目を覚ます頃には、愛しいお弟子さんが貴方を向かえに来ていますよ。」

ク「ならいい・・・・」

出「おやすみなさいませ・・・・クロス・マリアン様」




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