Parallel
□つんつるてん
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行為を終えて、教授の胸の上でまどろんでいた僕の髪を教授が撫でる。僕は目を細めて彼の胸に頬を寄せる。
教授は手を伸ばしてベッド脇にあった煙草をとる。それを口にくわえて火を点けた後、教授はぽつりと呟いた。
「お前ももう17か」
「そうですね…。教授に拾われたのが12だから、もう5年経つんですね」
「そうか」
それだけ言って教授は黙り込んだ。僕は顔を上げて数回まばたきをする。
「教授?」
でも教授は何も言わなかった。ただ煙をぷかぷかさせているだけ。
そのときは、ただ疲れてるからだと思って気にもしなかった。
「──えっ!?教授がいない!?」
驚く僕にコムイさんは大きく頷いて言った。
「そうなんだ、朝からいなくて…。アレン君は知らなかったの?」
「えぇ…」
今日は朝一緒に部屋を出たはずだ、それなのに教授は研究室に来てない。
掃除中真っ青な顔したコムイさんに呼び止められたときは何事かと思ったけど、まさか教授が消えてしまったなんて。
「アレン君、何か心当たりはないかい?」
「心当たり…」
少し考えて、昨夜のことを思い出す。
そういえば教授は何か変だった。どこか上の空な感じだった。それに、突然僕の年齢確認をしてきて…。
「とにかく、教授から何か連絡があったら教えてくれないか。今やってる研究は教授じゃないと分からないんだ」
そう言ってコムイさんは大急ぎで立ち去った。僕はぽかんと立ち尽くしていた。
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