Parallel


□ある夜
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ゆさゆさと体を揺らぶられてクロスが目を覚ますと、自分の顔を真っ白い何かが覗き込んでいた。
彼は手を伸ばし、それに触れる。柔らかなそれはしっとりと濡れていた。



「…何泣いてんだ、馬鹿助手」

暗闇の中、アレンの真っ白な髪と潤んだ瞳だけがやけにはっきりと写った。



クロスは未だ完全には覚めていない意識の中、アレンの髪に指を絡める。
するとアレンはこちらに顔を近付け、そっと唇を合わせた。ぽたりと涙がクロスの頬に落ちる。

触れるだけのキスをした後、アレンは顔を近付けたまま言った。

「きょ、じゅっ、寒いん、です」

「寒い…?」

「怖い、夢、見てっ、爆弾でっ、熱くって」

しゃくりあげながら話す姿はまるで子供だ、クロスは黙ったまま彼を見ていた。

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