Parallel


□家族
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「所長!コムイ所長!!」

「どうしたんだい?リーバー君」



のんびりとリナリーから受け取ったコーヒーを飲んでいるコムイとは対照的に、リーバーは息をぜいぜい鳴らしている。
コムイがそう問えば、彼はげっそりとした顔で答えた。

「所長、クロス教授は…」

「教授?あぁ、今日は一日出掛けてくるって」

「何考えてるんだよ、あの人は!!」

髪を掻き乱し大声で騒ぎ立てるリーバーを尻目に、コムイはコーヒーをすする。そんな兄にリナリーは疑問を抱いた。



「兄さん、教授がいなくて平気なの?」

「平気だよー。ちゃんとやることはやっといて貰ったし」

そう言いながらコムイは机の引き出しから化学式や計算式で埋め尽くされた書類を出し、それをリーバーに渡した。彼はそれに目を通した途端目を輝かせ、大急ぎで部屋を飛び出した。
リナリーは呆然とその様子を眺め、そういえば、と口を開いた。

「兄さん、アレン君を知らない?朝から見かけないんだけど…」

あぁ、とコムイは笑みを浮かべる。



「今日は一日出掛けてくるって」

「それって…」









「『家族サービス』ってことだよ」

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