10/27の日記

23:10
罪悪感
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…メール、きてる。
智世にはその時の自分の気持ちが分からなかった。喜び、安堵。もしくはそれらと真逆の感情…。感覚は日々麻痺していく。

テレビからは好きな歌手の曲が流れている。
―どんな時も君のそばにいるから―
洸治はためらわずに、この歌を私のために歌うだろう。そして私も、この歌を彼の隣りで口ずさむだろう。何の、ためらいもなく。

今日の私は、あのメールに返事が出来るだろうか。逃げたい。洸治はもう寝たかな。洸治からのメールはない。また一つ、携帯の電池が減った。最近減りが早くなった、2年契約が終わったら買い換えよう…。

私と彼らには何もない。約束も、契約も、束縛も。葛西も悟も、私の本名すら知らない。私が彼らのリアルを知らないように。

罪悪感。
それが、今の智世の細胞と細胞とをつなぎ止めている。
馬鹿馬鹿しい。罪悪感などという美しい感覚を、私が持つはずがないのに。
正確には、そう、ただの、軽蔑にすぎない。

そんなくだらないことを考えながら、かすかに洸治の匂いが残っている布団にくるまって、智世は今日も、「今日」を消し去る。あと1時間もすれば、どうせ、また、「今日」が来るだろうから。



☆コメント☆
[ななし] 10-28 16:15 削除
『今日を消す作業』
寝るってそういうことだったんだ。
新しい表現を知り、ニヤリ☆
詩人には嬉しい(^-^)

[ピザ○っと] 10-29 15:11 削除
智世さん、はじめまして。

苦痛や羞恥を身体的快楽に変える術をしるM女さんは
仕事では感じまいと精神的に無理してしまうので
心と身体がバラバラになってしまいます。
風俗嬢…特にM嬢は
心をスリ減らしてることに気がつかぬまま
金銭を得る為に男に身を任せてしまうんです。

智世さんが彼の事を好きになればなるほど
罪悪感・心の葛藤が大きくなってしまう。
そんな苦しみが日常化し、感覚までもが麻痺してくる。

彼との関係と、智世さんの心が壊れる前に
対処しないとならいと、僕は思いますよ。

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