11/09の日記
22：33
世間知らず
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お店からメールが返って来ない。そういうものなのかどうかさえ、智世にはわからない。「18歳」というだけで、「世間知らず」だと思われる、それが嫌いだった。でも、それは間違ってはいないのだろう。
なんだか途方に暮れてしまう。病気とは言え、長期休暇をとりすぎたのかもしれない。
治った途端に生理になってしまったのだから、仕方ないじゃないかと、憤慨するあたりが「世間知らず」なのだろうか。もう、まったくもってよくわからない。
居ても居なくても良い存在。そんなことは知っている。智世はあの店にとって、何の利益にもなれないのだから。
心のどこかでは安心している自分がいる。連絡なんてこのまま来なければいいのに。
ただあの店に源氏名を残してくるのは惜しい。「一身上の都合で〜」というお決まりの連絡だけ入れ、存在を消してもらわなければ…。
まだ次の店の候補は決めていない。それでも、私はＳＭ嬢を続けると思う。
世の中、いつも需要と供給で成り立っているのだと、高校の授業(現代社会とかいう何とも曖昧な教科だった)で習った。それならどうして世の中に、私の需要は無いのだろう。いくら供給したくても、需要がなければ、だめなのに…。
智世は良くも悪くも普通なのだと、誰にだったかは忘れたが言われたことがある。いやむしろ、よく言われる。
「普通」の人は「普通だね」と言われることに慣れていて、それでいて、そう言われると一番傷つくのだと思う。
「真面目」な人は「真面目だね」と褒められることに慣れていて、それでいて、そう言われると一番悲しくなるのだと思う。
智世はその両方を、すでに身を持って知っている。
「…これから、どうしよう。」
家族、恋人、友人、学校、アルバイト。「普通」の女子大生が持っていそうなものは、ぜんぶ、持ってる。
ファーストキス、処女喪失。今時の「普通」の女子大生が済ませていそうなことも、ぜんぶ、もう想い出。
「これから、どうするんだろう…」浴室に響く、他人事のような独り言。
―嘘の数が増えるくらいなら
一生が一瞬で終わったほうがいい…―
最近、お風呂に入りながら聴く彼の歌声が、堪らなく好き。
だけど今日は、こんな言葉を私に向かって、悲しみ哀れみたっぷりに歌う彼を、とてもとても憎く思った。
わたしは、汚れてく。
☆ｺﾒﾝﾄ☆
[マイク] 11-10 09:45 削除
はじめまして。全ての人間が普通であり全ての人間が特別な存在ですよ。自分が思うより人は必要とされてます。俺もそんな毎日を送ってます(^-^)
[寝太郎] 11-10 18:44 削除
チョコレート。この部分は色々解釈が違ってるみたいですね。
つかなきゃいけない嘘もあると思います。相手を傷つけるウソではなく自分を傷つけるウソ。
土曜日に車を流していたらラジオからシシカバブー。なんか聴いてて食べたくなります(笑)
どちらかというとこういう系統のが好きです。
リアルではチョコ嫌いです。カカオのヤツがくどいんで(笑)
[Chaos] 11-10 19:55 削除
汚れるのなら自分だけでなく世界を汚せばいいよ
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