13 甘党ワカメ 2
「…俺、中学んときにアンタに一目惚れ。まず友達になってくんね?」
「…えっ?」
急なことで頭が真っ白。
何て言葉を返したらいい?きっと顔が真っ赤だ。今日は一体何なんだろう。
「……友達なら…」
こんな言葉しか出てこない。
「マジで!よっしゃ!」
だけど切原君はいっぱいの笑顔で私を見る。これで良かったのかな。
「…!………!」
「ん?」
今、何か…?
***
「あの野郎、切原」
「宍戸落ち着けって」
「せや。落ち着き、兄ちゃん」
「誰が兄ちゃんだ!」
「シッ。宍戸さんバレちゃいますから」
「チッ」
***
「おい赤也帰るぜー。芥川気ぃ済んだろ?」
「うん!ありがとう丸井君!」
「おぅ。…なんだよ赤也、ニヤニヤして気持ちわりぃんだけど」
「なっ失礼っスよ!ソレ!」
「はいはい。帰るぞ」
「ちょっと待ってくださいよ!…じゃあな、結花!」
「!」
「結花ちゃん、どうかした?」
「あ…いえ…」
「帰ろっか」
「はい」
***
「行ったか?」
「行ったみたいやな」
「あー疲れたぜ!」
「これ尾行した意味あったか?」
「まあまあ宍戸さん」
「ほな帰ろか」
もう夕日が出とる。何時間ここにいたのやろか。
「日吉、何しとる」
「…え」
「自分、眉間にシワが寄っとるで」
「別に、何でもありません」
そう言って俺の横を通り過ぎる。
「日吉」
また声をかけると、不機嫌そうな顔を向けてくる。
「余計なお世話かもしれへんけど。あーゆうのはな…言ったもん勝ちやで」
「何を…」
「まっ、わからんちゅーなら、よーく時間かけてよーーく考えてみるんやな」
「おーい。2人とも置いてくぞ」
「今行くわ」
念を押したで、俺は。