おお振り *

□キミの心にホームラン!
1ページ/3ページ

01



「悠一郎!今日の試合頑張ってねっ!」
「おうっ任せてよ!ぜってえ勝つからなっ!ちゃんと見ててよ!」


中学最後の試合…

いつも試合のときにはベンチまで来て声をかけてくれる柚依…

オレの可愛い大好きな彼女!


「うんっ頑張れエースッ!」


トンッとオレの肩を叩いて笑うと、柚依は外野の応援席に戻っていった。

柚依の背中が見えなくなると、真っ直ぐバッターボックスを見つめて立ち上がった。


「(今日は柚依の誕生日だもんな!)ふぅ…よっし!気合い入れるぞ!」


そう…

今日は柚依の誕生日──
最高のプレゼントを贈ってやるんだ!

ベンチにパンッと乾いた音が響くと同時に試合が開始された。




「頑張れ…悠一郎…」


応援席で悠一郎に向けた柚依の小さなエールが、他の観客によってかき消された。

いくらうちの学校が強豪だと言っても、相手も決勝まで上がってきた学校…

そう簡単に勝敗は決まらない。

今の得点は、4−5…
相手に1点リードされて最終回を迎えた。





次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ