おお振り *

□うたた寝のそのあとに
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──英語…


それは、朝練で疲れたオレにとっては睡眠薬の様なものだ…。

いや。オレだけじゃないかもしれないけど。

ほら、水谷なんかもう顔伏せてるし、花井はよく聞いてられんな。



「ふあっあぁ…」


そんな野球部のヤツらをハッキリとしない目で眺めてたら、隣の席から1つ欠伸が聞こえた。


「柚依…」
「あっゴメン、隆也」


その欠伸の犯人はオレの彼女の柚依…

柚依は目を擦りながら笑って、軽く背中を伸ばした。


「ふあっ」


オレはシャーペンを持って、肘を机に付きながら黒板を見ると柚依と同じ様に欠伸をした。


「隆也も眠い?」
「オマエのがうつったんだよ」
「ええー」


柚依は眠そうな目のまま口を尖らせた。


──♪───♪…


「うえっ」


この教師…英語のCDかけ始めやがった。

ヤバいって…眠っ

オレは眠い目を頑張って開きながら、もう1回欠伸をした。

もう無理…

オレは開いていた窓から入ってきた心地いい風に、気付かないうちにゆっくりと目を閉じた。



***



──…ん…


「…あ」


ヤベッ、寝てたって…授業終わってんじゃん。

オレは大きく息を吐くと、机の上の教科書やノートを閉まった。

するとオレの耳に規則正しい寝息が静かに聞こえて、ゆっくりと横を振り向いた。


うたた寝
そのあとに



オレの目に映った

──愛しいキミの可愛い寝顔




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