おお振り *

□自惚れてもいいですか?
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01



「泉!グラウンド行こうぜ!」
「おぅ、今行く!」


今は弁当食い終わって昼休み。

オレは同じクラスの男子数人と走って教室を出て行った。



***



「それじゃあ高宮。頼むな」
「はい、わかりました」


あたしは社会の教科リーダーで、さっき先生に呼ばれて何かと思って行ってみたら“授業で使った資料を戻して来てくれ”って…

頼まれたのはいいんだけど…

──どうしよう。前、見えない。



「サッカーやろうぜ!」
「別に何でもいいけど」


男子がバタバタと走ってくる音が聞こえてきた。えっ今の声。

あたしは足音と声がどこから聞こえてるかわからなくて、そのまま歩いていた。


───ドン!


「っ!いったぁ…」
「あっ悪ィ柚依!」
「え?」


顔を上げるとそこには前から好きだった同じクラスの泉君の顔。あたしは恥ずかしくなってパッと下を向いた。


「大丈夫か?どこも怪我してない?」
「え!?あ、う、うん!大丈夫だよ」

「おーい泉!行かねえの?」
「後で行く!先行ってて」
「わかった!」

「え?…泉君みんなと遊びに行くんじゃ」
「いーんだよ。柚依の仕事手伝う」
「でも」
「オレが手伝うって言ってんだからいいんだよ」
「あ、ありがとう」


あたしがそう言うと泉君はニッと笑って散らばった資料を集め始めた。





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