おお振り *

□キミに逢ったら
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──バイバイ文貴、あたしのこと忘れないでよね!



「柚依…」


オレは駅前の空を見上げながら、懐かしい幼なじみのキミの名前を呟いた。

柚依がそう言ったのは、中学3年に上がる前の冬のこと。

大好きだった柚依…

でもその言葉を伝える前に柚依は神奈川に引っ越してしまった。

埼玉から遠いわけではない。でも、小さいときから一緒にいた柚依がオレの傍から離れていく。

それが辛くて、悲しくて

オレは見送りにも行かずに部屋で1人泣いていたことだけ覚えてる。



──あたしは野球をする文貴が好きだよ!



電車に揺られながら頭に浮かんできた柚依のこの言葉が

まるで最近のことのような気がする。

柚依の笑った顔、泣いた顔。今、その全てが愛しく感じる。


そして今、オレは柚依に逢いに行く。

だから、




キミにったら

まず“好き”と伝えたい。


そのあと柚依はどんな顔をするんだろう…?




END++



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