テニスの王子様 *

□バカ、意識しすぎ
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バカ、意識し過ぎ



「ねえ、宍戸」
「なんだよ」
「宍戸ってさぁ」


──なんかすっごく、かっこよくなったよね。

さっきの数学の自習中に柚衣に言われたこの言葉。

軽く動揺してる思考回路で

こいつ、真顔で…しかも一応授業中に何言い出すんだ。

って思ってたら、なんてね、って…、俺に向かって舌を軽く出してプリント顔を伏せた柚衣。

はあ?と拍子抜けした声が無意識に出てたんだろうな。

ったく、なんなんだよ!

まあ…、俺も情けねぇ顔してただろうから、丁度良かったといえば良かったんだろうけどよ。


終いに授業終わったあとには


「宍戸耳真っ赤だったよ〜」


って、へらっとした笑顔で言われたら、最初の言葉が嘘なのか本当なのか解んなくなってきたぜ。


「おーい宍戸、ジュースでも買いに行こうぜ」
「あ、おぅ」


…岳人か。

つか今昼休みだっけ。


「なんだよ、ぼけっとして」
「なんでもねーよ」


ふーん、ってつまらなさそうな岳人はいいとして…、なんか不思議な気分なんだよな。

さっきのあいつの言動が頭から離れねぇ…。


「おっ、日吉ー!」


ジュース奢れー!って、それでもお前は先輩かよ。…激ダサだな。


「にしても…、あっちーな」


近くの窓を開けようと、鍵に手をかけた。


「…あっ」





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