魔法の国
□ライラックの花束を…
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あの頃の私は何も分かってなかった。
いつまでもずっと一緒だと………
この幸せが永遠に続くんだと思ってた。
ジョージやリーと馬鹿みたいに悪戯して……
私はそれを見て笑って……
クディッチしたり、散歩したり、デートしたり………
私の隣にはいつもフレッドがいて…………
いきなり学校を退学した時は驚いたけど……
それでもフレッドは、ずっと私の傍にいてくれた………
『一段落ついたら結婚しよう』
あの夜、少し照れながら指輪を嵌めてくれた時は凄い嬉しかったんだよ。
嬉しくて嬉しくて……泣いちゃったね。
涙でフレッドの顔が見えなかったよ。
あれが最後だったのに…………
フレッドに会える最後の日だったのに…………
ねぇ……フレッド………
フレッドがいなくても世界は何も変わらず動いてるの………
フレッドが元からいなかったかの様に…………
でもね……私の世界は止まったままなの………
フレッドがいない世界なんて………私はいらないの。
だから待ってて。
すぐに行くから。
フレッドの傍に。
だって私の居場所はフレッドの隣にしかないから…………
【ライラックの花束を】
(目印は左の薬指に嵌めたお揃いの指輪)