コードギアス

□Amethyst Remembrance
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暗い電気も点けない部屋の中

カタカタカタとキーボードを叩く音が連続して響き、パソコンのぼんやりした明かりがうっすらと部屋を僅かに明るくし


『違う…、ここは…このポイントでは、あの作戦で…だが…ここは、こうして…』


『ルルーシュ…』


扉に寄りかかりながらC.C.はルルーシュのそんな“焦る”姿をただ見つめていて


『ルルーシュ…何を焦っている?』


『……』


『そんなにショックだったか?』


『……』


その言葉にルルーシュの指はピタリと止まり


『白兜に乗っていたのが枢木スザクだった事』


無意識にか、ルルーシュの拳が強く握りしめられ


『しかも…ずっとお前が求めていた枢木を…あの義妹姫に騎士として奪われた事』


『……焦ってなどいない』


それが強がりだという事くらいC.C.には簡単に分かった


『ルルーシュ…枢木は…あのお飾り皇女の手を取った』


『……』


『お前ではなく』


『…ッ…』


『お前たち兄妹がブリタニアから隠れているのを知っていながら…危険を…学園を危険に晒す』


『…』


『皇女の騎士の通う学園…当然、ブリタニアの調査も来るだろうしマスコミも来るだろう』


『…』


『お前達の大切な箱庭、居場所…また…ブリタニアに奪われる』


『…スザ…ク』


『そうだ、お前がナナリーの次に大切に思っていた奴が…お前から奪う』


『白…兜…ブリタニアの…狗』


『ルルーシュ』


『俺の…私の邪魔をしてきた…奴が…ナナリーの幸せも…奪う…ナナリーの騎士に…なって…ほしかったのに』


『ルルーシュ…』


C.C.はルルーシュをその背後からそっと抱きしめてやり


『ルルーシュ、そしてゼロ…大丈夫、私はお前の共犯者だ。奴がお前を裏切っても…私は傍にいる…お前を守ってやろう』


C.C.は感じていた


ルルーシュを守れる人物が必要だと


愚か者ではなく


もっとルルーシュを愛してくれる


ルルーシュだけを愛してくれる


そんな人物を…
 

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