二冊目の物語


□4884番・まーむさんキリリク作品。
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「…………ッ!」
騰蛇は本能的に側頭部で腕を曲げた。
刹那に重い衝撃が走り、嫌な音が鳴る。
「おお、スマンな。だが庇わなければ綺麗にこめかみを殴れたんだがのぅ」
「…………」
冗談ではない。
既に痣や刀傷は数え切れない程なのに、脚をやられてふらつくのに。


また来た。

今度は反応の速さを上回る速さで腹筋に膝がめり込んだ。
「か……は…………」
せり上がってくる苦味を帯びたものを押し殺す。
「…………ッぐ」
口許を拭う暇も無い。
更に仕掛けようとした倶梨伽羅の脚を払う。
彼がバランスを崩す直前振り下ろされた鈍器に強か殴られ、騰蛇の意識は闇の底へ沈んだ。
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