一冊目の物語

□馬鹿な奴
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コイツは本当に
馬鹿だ。

『と〜う〜だッ』
『…………』
冬の午前2時頃に浅い眠りが破られた。不機嫌を隠そうともせずに、戸を開ければ恐らく寝間着の(恐らく、というのは見た事が無いからだ。)奴がいた。
『何その嫌そうな顔。何それ』
『…こんな時刻に屋敷に押しかけられて嫌そうな顔をしない奴などいない』
『な、外寒いんだけど』
『そうか』
何しに来たのだ、この阿呆は。そう思って、戸を閉めようとした。
『いやいやいや!閉めるな!!入れて!』
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