一冊目の物語

□1771番・煉様キリリク作品。
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今、とあるシックな珈琲専門店に都筑はいる。



「今度は何だ」
人間界に呼び出された騰蛇は酷く不機嫌な声をだした。
「此処のココアすっごく美味しいんだって」
ココアというモノが何なのかはまるで見当も付かないが、また甘味らしい。
人身で召喚されたので嫌な予感はしていたのだが。
「あ、すいませーん」
店員を呼ぶ都筑。
店はそこそこ混んでいた。「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりでしょうか?」
女性店員がいやににこやかなのは男二人連れだからなのだろうか。
「えーっと…これ二つ」
「はい、店長オススメ☆Sweet Loversが二つですね?」都筑は、もし騰蛇が単語の意味を理解していたら、赤くなって罵声の一つでも浴びせるだろうと思った。
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