一冊目の物語

□都筑とチョコレートにまつわるとある逸話
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「無理だ、そんなもの…」
「だから美味しいんだってば」
そう言いながら都筑は再び可愛らしくデコレーションされた小さい塊を口に放る。
幻想界の食べ物は、ほとんど中華料理だった。洋菓子など、皆無に等しい。
このチョコレートも都筑がわざわざ買ってきたモノである。
「よくもそう次々と」
「あ、騰蛇も食べる?」
「要らん」
本人としては普段とさほど変わらない声音のつもりだろうが、結構本気で嫌がっているのが見え隠れしていた。
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