一冊目の物語

□2100番・煉様キリリク作品
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解放されて早三日。
今後の対応を決めるまで、自宅で謹慎処分となった騰蛇だが……。
「折角来たってぇのに……」白虎は溜め息を吐いた。彼の尾が感情を表す様に垂れる。
「寝てんのかよ」
まだ昼前である。
きっと一度も起きてないに違いない。
「どーする?」
仕事の合間を縫って来ているのに、これでは張り合いというものがない。
「そうですね……お仕置きにちょっと悪戯でも」
(お仕置き!?)
尻尾を立てて仰天する白虎の前で、貴人は袖口から長い布を出した。
そして寝ている騰蛇の目許に巻き付け、後ろで結ぶ。(何でそんなもん持ってんの!!!?)
白虎は最早声も出ない。
蒼龍の教育方針が疑問だ。天后もこんなんだったらどうしよう。
白虎が想像している内に貴人は騰蛇を寝台に縛り付けてしまっていた。
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