一冊目の物語

□有意義な休日の過ごし方。
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ある日曜日。
初夏の爽やかな陽射しがカーテン越しに差し込む。
低血圧の騰蛇は呻いて寝返りを打った。

まだ寝ていたい。

しかし、ささやかな願望は無惨にも打ち砕かれる。
携帯電話から響く電子音とバイブレーションによって……。
潜った布団から手だけ出して枕の周りを漁り、黒く薄い携帯を見つけ出す。

鳴り続けるごく普通の着信音。
嫌な予感がした。

無視(シカト)した方が良い気もする。

液晶画面に映る名前に、彼の眠気は霧散した。





あぁ。
無視すれば良かった……。
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