一冊目の物語

□高嶺の花に片思い
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「貴人、白虎、蒼龍が呼んでますよ」
「「え゙」」
「…」
「早く行かないとお説教されるんじゃないですか?」二人は迷った。
騰蛇と一緒に長い時間いたい。が、早く行かねば確実に蒼龍は説教を垂れるだろう。説教は面倒臭い。
「すぐ戻るからな」
「そこの鬼畜眼鏡に付いてっちゃダメですよ」
そう言い残して、六合にとっての邪魔者はいなくなった。
「やっと二人きりになれましたね」
「だから、何だ?」
六合は埃を軽く払いながら立ち上がった騰蛇とさりげなく距離をつめる。
「当分二人っきりですよ?」呼んでいた、というのは嘘で、蒼龍は結構離れた場所にいる。すぐには戻ってこないだろう。
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