一冊目の物語
□1616番、煉様リクエスト作品。
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二人の間にある円卓には…これでもかと言う程に甘味が乗せられていた。
「やだなぁ全部じゃないよ」都筑はまだ笑っている。
「ただ好き嫌いは無い方が良いんじゃないかなって思ったからさ」
「見てるだけで吐き気がする」
甘味大王の主人を持ちながら、騰蛇は生理的に甘い物が嫌いだった。
「美味しいのに」
そう言いながら一つを手に取り、瞬く間に平らげる都筑を彼は信じられないもののように見る。
「あ〜美味い。これ最高だよ?」
「………」
やはり、苦々しげな表情だ。