一冊目の物語

□有意義な休日の過ごし方。
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「は」
「騰蛇!!遊園地行こうぜ!」
鼓膜が裂ける……!

朝からハイテンションな知り合い(向こう曰わく恋人)の大音声が脳に響き、騰蛇は呻いた。
(喧しい男だ俺は眠いわざわざ子供(ガキ)の行く所に等行くものか)
「な〜行こうぜ」
「…………」
どうにかダメージから回復した騰蛇は狸寝入りをする事にした。
というか、半分本気で寝ていた。











相手は沈黙してしまった。埒があかないと思った白虎はポケットから小さな鍵を取り出す。
「今お前ん家の前だから。じゃ、続きは直に会ってな」
やはり沈黙が返って来た。(そんなら俺にも考えが有るんだぜっ)
この合い鍵は騰蛇から貰ったのではない。
騰蛇の後見人から『ちょっと借りた物』を複製したものだ。
「おっ邪魔っしま〜す」

白虎、侵入。

「おーい、起きてるか?」
居間に足を踏み入れた。
いない。
「騰蛇ちゃ〜ん?」
耳に入ったら蹴られそうな名前で呼んでみた。







電話が切れた。
しかし騰蛇は気付かない。完全に再び眠ってしまっている。
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