風雷精火
□第六
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「今回の件でかなり人が減ったなぁ・・・」
そう言われて、蒼縁の表情が暗くなる
第三班は雷命、鈴を除くほとんどの者が蒼縁の班長辞退を要求した
だが、支部長はそれをしなかった
それで、班員の一人がわざと蒼縁に聞こえる大声で言ったのだ
「お前ら!行ってすらないくせにそんなこと言うなよー!」
「そうだぞ!お前なんて、連れて行ってすらもらえなかった余り物のくせに!」
それでも、ほんの一部は味方をしてくれる
それだけが蒼縁の支えだった
だが・・・
「余りものはてめーも同じだろうが!」
「そうだ!調子乗ってんじゃねーぞ!」
どちらも引く様子を見せない
そのまま口喧嘩はエスカレートしていく
「でも今回のことは班長の所為じゃなくて、中華大陸の・・・」
「黙れ!俺は友人何人も失ってるんだよ!・・・ったく支部長も考えてることが解らない・・・!呪いかかったヘタレを班長のまま置いておくなんてなぁ」
一人の班員がいった
そのとき・・・
「ごめんねー。でも僕は彼を結構気に入ってるんだよ。呪いがかかってても、彼の実力は本物だしねー♪」
背後から声がした
振り向くとそこに・・・
「し・・・支部長!?」
「やぁ。騒がしいから見に来たよ。それにしても、ずいぶんと君達は蒼縁を攻めるんだね。何なら中華大陸にいって今回のとこに行ってみる?生きて帰ってくる自信があるなら・・・の話だけど」
支部長が不気味な笑みを浮かべる
・・・怒っている。確実に怒っている
そこに居る誰もが思った
「ふふ、冗談だよ。これ以上三班の班員減っても困るしね。あーでも、君達があんまり煩いから、ちょっとこっちでも考えさせてもらったよ」
支部長が蒼縁を見る
「蒼縁、教育係ってやってみないかい?」
「教育係・・・ですか?」
「そ、実はねぇ前に新しい子が入ったんだけど・・・実戦にたどり着くのがほどとおいし、かなりのヘタレで・・・キミに鍛えてほしいんだ。その間は班長を退席ってことで。それが今回の罰だよ」
「な・・・!そんな・・・!多くの班員殺しておいて、一時退席なんて・・・!」
「でもねぇ・・・。彼なーんにも悪いことしてないんだし、ね?」
その言葉に班員は引き下がる
もともと、蒼縁は何もしていないのだ
「で、どうだい?蒼縁」
「・・・やらせてください」
「うん。よかった・・・正直僕も彼の教育疲れたんだよね・・・」
思わず小声で本音を漏らした
「え・・・?」
「いやいや、何でもないよ。まあ、彼けっこう手がかかるから気をつけてね」