月影の訪問者(番外編集)

□元旦
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「はぁ・・・今年も今日で最後か・・・」

幸尋は自室の窓から空を見上げた

冬休みの宿題は全く手は付かずで机の上に散らばっている

なぜ中学になってまで宿題を出されなくてはならないのかと

幸尋は不満で不満で仕方ない

そのとき、携帯が鳴った

「はい、もしもし」

「あ、幸尋ー?俺俺ー」

「棗か?」

電話の相手は棗だった

「なぁ、今日暇か?」

「あぁ」

「えーっと、12時ごろでも平気?」

「12時・・・?ちょっとまて、夜中のか?」

「あぁ、そうだけど。一緒に日初詣行こうぜ」

幸尋は一瞬考えた

さすがに中学生が夜中に外出は・・・

「ちょっとまって、母さんに聞いてみるから。またかけなおすよ」

幸尋は電話を一度切って部屋を出た



「母さん」

「何ー?」

「棗が初詣誘ってくれたんだけど、行っていい?」

「いつ?」

「今日の12時だってさ」

「12時ぃ?」

洗い物をしていた母は一端手を止めた

「なんでまたそんな時間に?」

「さぁな・・・」

「ん〜・・・まあ補導されないようにね」

「え、いいの?やりぃ!」

幸尋はルンルン気分で部屋に戻って

電話をかけなおして

「棗、俺だけど」

「幸尋?どうだった?」

「いいってさ」

「よっし!んじゃどこで待ち合わせしようか?」

「じゃあ、去年と同じで」

「去年・・・あぁ思い出した。んじゃ」

「あぁ」

幸尋は電話を切った

「さて、準備しねぇと」
 
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