風雷精火
□第八
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階段を駆け下りていくと
地下室の扉ははずれていた
きっと爆風に耐えきれなかったのだろう・・・
「あーあ・・・これは派手にやったなぁ・・・」
部屋の中を見ると、あちこちの硝子製品は割れ、棚は倒れと大惨事だ
中央には・・・
実験に参加していた班員と自分の兄がいた
「兄さん、大丈夫?」
「ははは・・・莢斗か・・・また失敗したよ・・・」
「まったく・・・。僕も手伝うから、早く片づけるよ」
莢斗は博斗の手を引き、起こした
それにしても、酷い散らかりっぷりだ
今まででもここまで酷かったことはない
「兄さんまたこの実験してたの?」
「あははは、まあね。これが難しいんだって」
話しつつも、他の班員を叩き起こし、片づけにかかる
しかし、これだけ派手にやったら・・・
「これ、修復に時間と費用かかりそう・・・」
「だろうなぁ・・・ははは、全員減給決定だよぉ・・・」
博斗はぼさぼさの頭をかきながらいった
彼等はどうやら徹夜していたらしい
「まったく・・・この研究はできたらすごいけど、なかなか成功しませんね」
「いや、確実にいい段階まで進んでるよ。前まではちょっともできなかったじゃないか!また研究室が修復したらやるぞ!」
「「「「えーーー」」」」
班員の大ブーイングが巻き起こる
それはそうだ
この実験はかなり前からやっているが
できた試しは一度もない
いくら班長に忠実な班員達も、これではやる気もなくしていくだろう・・・
(まったく、兄さんはなんでこの実験辞めないんだろ・・・?)