novel

□ Buon giorno! D
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キミと出会って、怒ったり、笑ったり、泣いたり。
俺にくれたたくさんの思い、大切にしたい。
キミを守り、幸せに出来るのは、俺だけだから‥。




Buon giorno!




ツナはしっかりとハルを抱き締める。
ツナにはもう一つ、ハルに伝えたい事があった。


「ねえハル‥‥。」
「‥はい。」


眠っている間に決めた事、そして不思議に思っていた事。


「‥‥眠っている時に、声が聞こえたんだ。俺を、ずっと呼び続けてくれる声。
まだ意識がちゃんと戻ってなくて、誰かは分からなかったんだけど、俺は、その人をずっと守っていこうと、そう決めたんだ。
―――目が覚めて、京子ちゃんが来てくれたんだけど‥‥、その前に、女の子に会った気がするんだ。
‥‥俺をずっと呼び続けてくれた女の子は、ハルだったんだね。」


ハルは目を丸くし、そしてまた泣き始めた。


「‥‥ツナさん。‥‥ツナさん。‥‥ツナさん。」
「うん。ハル、俺は此処にいるよ。」


―――何度も貴方を思って泣いた。悲しくて。貴方に思いが伝わらなくて。
‥でも今は、貴方に思いが伝わり、嬉しくて泣いている。
これ程嬉しい事なんて、他に、無い――――


「――――‥ツナさん。」
「何?」
「‥‥私。ずっとツナさんが好きでした。」
「うん。」
「ツナさんが他の人を好きでも、ツナさんが幸せで笑ってくれたら、
それでもいいかなぁって‥。」
「(‥本当に、ハルは俺の事ばかり‥。)」
「でも、本当はツナさんに、ハルの事を少しでもいいから、見て欲しいなって‥‥思ってました‥‥。」
「‥‥。」
「だから、今とても嬉しいです。ツナさんにハルの事を見てもらえて‥‥。」


俺はハルをぎゅっと、より強く抱き締めた。
今までハルから逃げていた事にすごく後悔した。そして、ハルをとても愛しく思った。


「ツナさん‥‥?」
「ハル。」
「はい‥?」


ツナは腕を解き、ハルと向き合う。


「‥俺、ハルが好きだよ。一生誓う。俺はハルをずっと愛す。」
「‥‥‥‥。」
「ハル?」
「‥もぅ。ツナさんはハルをどれだけ喜ばせるつもりですか。
―――ハルだってツナさんが大好きです。ずっと、ずっとです!」


ハルは笑顔でそう答えた。


二人は見つめ合い、嬉しそうに、幸せそうに笑った。
空高く昇った月は、2人を祝福するかのように、光り輝いていた。




ファミリーの為に強くなろうと思った。
故郷を離れ、遠い此の地に来たのも、全て家族を守り、助ける為。

此の地に来ても変わらなかったのは、彼女の笑顔、呼ぶ声。
此の闇の世界で、彼女の存在は俺に光を差してくれた。

大切な彼女を守っていきたい。
彼女の傍にいる事が、俺の幸せだから。




彼の為に強くなろうと思った。
故郷を離れ、遠い此の地に来たのも、全て彼を守り、助ける為。

少しでも彼の役に立てるならと、全てを捨て彼の下に来た。
その事は今でも後悔はしていない。

彼の傍にいる事が、私の幸せなのだから。




そして、これからもずっと‥‥――――。



「ハル、ずっと一緒にいようね。」
「はいっ!ツナさん!」





貴方の隣で‥‥――――――。







――――――――
あとがき。

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