novel

□ 天秤の傾く先は
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今日、ハルとランボとイーピンとピクニックに行った。
最近出来たアスレチック場をテレビで見て、行きたいと言ったランボとイーピンに、オレとハルが付き添う事になったのだ。



今は帰りの電車の中。
人も少なく座席に座り、電車に揺られていた。

コテン。

何かと思い膝の上を見ると、ランボが膝の上で眠っていた。
隣を見ると、イーピンもハルの膝の上で気持ち良さそうに眠っている。
「今日はいっぱい遊びましたから疲れたんですね。」
「うん、気持ち良さそうに眠ってる。」
今日は本当によく遊んだ。
朝早く出掛けたのに、今はもう夕方だ。
(まぁオレも楽しかったし、こんな一日もいいかな)


ガタンゴトン。ガタンゴトン。


それからしばらく経った頃、
ハルがかくんと沈んでいるのに気が付いた。
「ハル?」
何かと思い隣を見ると、
ハルは眠っていて、頭だけがかくんと沈んでいた。
(疲れたんだろうなぁ。まだ大分あるし、寝かせといてあげよう)


それから2駅程過ぎた時、人が入って来た。
ハルの隣に男の人が座り、オレの前には数人が吊り輪を持って立った。

揺れが大きくなりだした頃、
ハルの眠りもピークだったのか、頭が肩に付くか付かないかぐらいまで傾いていた。
右、左と、オレと隣の男の人を行き来していた。
(なんか‥‥むかつく‥‥)
ハルの行動にオレは何故か腹が立った。

電車が大きく曲がり、ハルが隣の男の人の肩に付きそうになった時、
オレはぐいっとハルの体を自分の方にオレの方に傾けた。
反動でハルの頭は隣の男の人の肩を離れ、オレの肩に乗る事になった。
(肩ならオレがいくらでも貸すのに。他の奴のなんか使わないでよ)


何故だろう。ハルが他の男といるといらいらする。
いつもハルはオレに会いに来てくれるから、他の男といるのが驚いただけだよね。
ハルにだって男の友達くらいいるだろうに。


オレは腹が立った事に気付かないふりをして、その場を凌ぐ事にした。
そのまま並森駅までハルはずっとオレの肩の上で眠っていた。




ゆらゆら + いらいら = 恋の始まり?


――――――――
あとがきとおまけ。

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