novel

□ ベタな提案
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「差し入れでーす。」
「おぉ!」
「偶には気が利くじゃねーか。」
「極限嬉しいぞ!」
「‥‥ふん。」
「ハルさん、ありがとうございます。」
「ハル‥、ありがとう。」


ハルが差し入れを持って、修業で疲れている守護者たちの所にやってきた。
守護者たちはそれぞれ感謝の言葉を述べる。ハルも喜んでもらえたことが嬉しくてにこにこと笑顔になる。


「どうぞ。あ、お水とスポーツドリンクとお茶もありますよ!」
「気が利くな。」
「サンキュー。」
「‥お茶。」
「手伝いますよ、ハルさん。」
「ハル、私も‥。」
「ありがとうございます。」


クロームちゃん達が手伝ってくれて、皆さんに差し入れと飲み物が行き渡った。
ハルはこそこそ話をするように、クロームちゃんに話し掛ける。


「あの、後任せても良いですか?」
「ボスの所に行くんでしょ?うん、分かった。」
「ありがとう、クロームちゃん。」


クロームちゃんに告げて、ハルはツナさんの所へ行く。
ツナさんは別の場所で修業していると聞いていたから、ハルは予めバスケットを2つ用意していた。
皆さんへの大きめのと、ツナさんへの小さめのとに。


「ツナさーん。」
「‥ハル?」


ツナさんはリボーンちゃんとバジルさんと一緒に修業していた。
声が届く程度に離れた場所からツナさんを呼ぶ。


「差し入れ持って来たんですけど、今大丈夫ですかー?」
「‥リボーン。」
「しゃあねぇな。少し休憩だ。」
「ありがと、リボーン。」


ツナさんは、ぽんと地を蹴るとこちらにやってきた。
炎を消してハルに微笑みかける。


「良かったんですか?」
「うん。丁度休憩になったとこ。」
「はひ、グッドタイミングです!」


リボーンちゃんとツナさんのやり取りをハルは知らなくて、愛の力です!と考えて嬉しくなる。
そしていそいそとランチマットの用意をして、差し入れと飲み物を並べた。


「蜂蜜レモンとフルーツとおにぎりを持って来たんですけど。」
「ありがと、ハル。疲れてたから助かるよ。」
「はい!後、飲み物は何が良いですか?お水とスポーツドリンクとお茶があります。」
「んー、スポーツドリンクがいいな。」
「分かりました。」


コップにスポーツドリンクを注ぐ。ツナさんにコップを渡し、フォークも渡した。
ツナさんはぱくぱくと差し入れを食べてくれる。
少しずつ減っていくバスケットの中身を見ながら、ハルは幸せでいっぱいになった。


「そうだ、他の皆には?」
「さっき渡してきましたよ。」
「ふぅん。」


ツナさんは意味ありげに応えて、今フォークに射してある蜂蜜レモンを食べると、落ちないようにコップの上にフォークを置いた。


「ツナさん?」
「今度はさ、俺の為だけに作ってよ。」
「はひ?」
「ハルの手料理、俺以外に食べられたくないしさ。」
「つ、ツナさん‥!」


凄く凄く嬉しいことを言われてるんですけど!
はひ、でも、やっぱり皆さんにも差し入れはしたいです‥。
ハルは半分嬉しくて半分複雑な気持ちになった。

そんなハルの気持ちを察した様で、ツナさんはそうだ、と良い案が思い付いたように呟いた。


「じゃあさ、ハル。差し入れは皆にもしてあげて。」
「?‥はい。」
「それでさ、


毎日俺の為に味噌汁作ってくれない?」




ベタな提案
  賛成or反対?


(はひ!それって‥、)
(俺、豆腐とワカメのがいいな。)
(‥‥、ハルも修業します!花嫁修業頑張りますね!)







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